霧のなかの子

2006年11月23日 読書
ISBN:4152086300 単行本 入江 真佐子 早川書房 ¥1,890

おなじみトリイのノンフィクション物。

無言症のセラピストとして働くトリイ。
カサンドラ、ドレイク、ゲルダの3人の患者(?)の同時進行のお話。

カサンドラとの遣り取りに感情移入してしまう。
心の中の「困った場所」の部分。
鍵をかけてしまい込んでしまった怖い出来事も
話すこと‥外に出すことによって「思い出」として処理できるのだということ。
私は自分でその機会を作っておきながら逃げ出してしまった。
それほど鍵をあけるということは怖いこと。
眉をひそめるくらいイヤなタイプのカサンドラだったのに
いつか心から応援し励ましていた。

ドレイクの母親の気づかない虐待。
弱者である自分(と夫)を守るために
小さなドレイクの障害に事実に目を背ける。
トリイの辛抱強い説得で
ドレイクの心がつぶされる前に間に合ってほんとによかったと思った。

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