平面いぬ。

2008年9月20日 読書
平面いぬ。
乙一 (集英社)


「石の目」「はじめ」「BLUE」「平面いぬ。」の4作品を収録した短編集。

『石の目』
ギリシャ神話?の“メデューサ”のような話。
「女」の正体はわかっていながら
結末にたどり着くまでの葛藤が面白かった。
最後は乙一らしい切なさで胸がいっぱいになる。

『はじめ』
想像から幻覚そして実在?してしまう「はじめ」。
「私」の頭の中から作り出された「はじめ」が
「私」を想うようになりその気持ちを抑えて
仲間として接する時間を選ぶところが‥らしかった。

『BLUE』
この中で一番好きな話。
意思をもったぬいぐるみたちのなかで
ただひとり?阻害される「BLUE」。
それでも純粋な気持ちのまま居場所を求めそして見つける。
でもそのときには‥
作者お得意の分野。

『平面いぬ。』
体の上?で動き回る刺青の犬ポッキー。
極端な境遇のなかでポッキーと関わりながら
家族の愛情に気づくようになる。
最後の手紙には乙一らしくなくホッとさせられる。

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