ISBN:4344402146 文庫 乙一 幻冬舎 2002/04 ¥520


お気に入りの乙一作品。

背表紙のあらすじを読んだときは
正直「わざとらしいシチュエーションだなぁ」と思ったけど
いい意味で裏切られた。
やっぱり乙一らしい『孤独』が描かれていて
私としては感情移入しないではいられない。
地雷(?)‥を棒でツンツンされるような感覚。
後半ミチルの
「・・・・・あなたは悪い人じゃないと思っていました」
のセリフでそれまでの緊張がはじけて
みっともないけど涙が出た。
こういう作品で不可欠などんでん返し(?)だけど
それはやっぱりハルミの存在。
人物像ギャップの大きさについだまされてしまった‥。

あぁ‥相変わらず何書いてるんだかわかんない。
ま、個人的な読書メモなんだから
これでいいのかもしれない‥うん。。
ISBN:4087471985 文庫 乙一 集英社 2000/05 ¥440


乙一のデビュー作品だったとはあとで知った。
しかも執筆当時16歳!?

お気に入りの乙一そのものって感じ。
重くどろどろしそうな内容をケロッと軽妙に読ませてしまう。
わざとリアル感をはずしたところがその理由なのかな?
会話文章のどこか古臭い感じもいつも通り。
お兄ちゃんの怖い心理が見え隠れする描写が特によかったと思う。
「わたし」が見つけられそうで見つけられない‥
思う壺だけどはらはらさせられた。
ISBN:456957548X 文庫 安部 譲二 PHP研究所 2001/05 ¥630


旦那さまの本棚から盗んで来た一冊。
(そんなのばっかりだなぁ〜爆)

ずいぶん回り道をした筆者のお話。

過激で過酷な部分があったはずなんだけど
そういう悲惨さ(?)を感じさせない文体。
それどころか
お母さまのすばらしさだけが読後にふわっと広がるような感じ。
混乱期を過ごし並はずれた苦労をしたはずなのに
少しも穢れたところがなく
俗世から床2センチくらい浮いている‥そんなひと。

こういうひとって本当にいるのかな?
ISBN:4535584273 単行本 水谷 修 日本評論社 2004/12 ¥1,365


息子っちが買って来たのを横取りして先に読んでしまった。

ワイドショーか何かで
かすかに耳にしたことのあった『夜回り先生』。
現在は『夜回りおじさん』になっているようだ。

結論として一番心に残った言葉は『自分病』。
外に目が向かず自分のことばかり考えるということ。
心の画面を暗くにごすようなニュースは
ほとんどがこれが根にあるような気がする。

先生の専門分野はドラッグ。
本書の中でも当然扱われているのだけど
その部分自分にはちょっときつかたかな・・。

認めて欲しい。
認める。
そして・・『いいんだよ』

この先なにかがあったとき
この本が私の肩をたたいてくれそうな気がした。

スキャンダル

2006年4月1日 読書
ISBN:4101123292 文庫 遠藤 周作 新潮社 1989/11 ¥540


読みながらどうしても遠藤周作自身をイメージしてしまったけど
それは間違っていたとしてもどうでもいいこと。

自分が最も怖れ憎むような存在の人間が
自分自身ではないかという恐怖?
一番身近な人間にさえ『自分』を見せない孤独?

読後も心の奥にまでどんよりとしたものが残った。
決して不快なものではないのだけど・・。
ISBN:4043766017 文庫 塚橋 一道 角川書店 2004/09 ¥500


好みの病院ものだったので手にしてみた。
正直いまいちかな・・?
感染者の共通点が罪の意識や後ろめたさを感じてるひと・・というのは
おもしろいなとは思ったけど
ラストがなんか軽すぎて迫ってくるものを感じられなかった。
映画にも興味なし。
すいません‥m(_ _"m)
ISBN:4309481434 文庫 日沼 エイスケ 河出書房新社 2004/04/07 ¥609


とんでもないタイトルなんで恥ずかしい(失礼な!)んだけど
これは絶対書いておきたいと思った。
(もっともこのタイトルは単にセールスを意識してのことだと思う。)

ある死刑囚が隠れて書いていた自伝なんだけど
昔一回発禁になってるというのが納得できる。
この本で憶えた「盲妹」という言葉。
言葉を失う描写だった。
「運命」という言葉の意味もあらためて考えた。
自分の意志とは関係なく
「落ちる」一方にしかレールは敷かれていない。
戦争で孤児になってしまった。
そこが彼の人生の大きな分岐点だった。

事実なのだろうか?

・・事実だから怖い。。
ISBN:4344401638 文庫 乙一 幻冬舎 2001/10 ¥480


途中の緊張感は心臓に悪いくらい。
先生に「自分は悪い子です」と言わされるシーン。
凍っちゃった・・。
相手は先生ではなかったけど
このことは自分の記憶と重なるものだから。
最後の最後に残されていたマサオの強さ。
この強さがそれまでの緊張を解き読後に暖かいものを感じさせてくれた。

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